2026-02-28

経審は「会社の健康診断」である

経審の結果通知書は、会社の「強み」と「弱み」を映す鏡

経審(経営事項審査)とは、公共工事を直接請け負うために必要な、会社の施工能力や経営状態を数値化する「客観的な評価」です。多くの社長が「入札のために仕方なく受けるもの」と考えがちですが、実はこれほど精緻な経営分析シートはありません。通知書に並ぶ数値は、売上(X1)、財務の健全性(Y)、技術者の層(Z)、そして社会的な信頼(W)を映し出しています。
この数値を毎年定点観測することで、「利益は出ているが借入が多すぎる」といった課題や、「若手は多いが資格取得が遅れている」といった将来のリスクが明確になります。専門用語で「総合評定値(P点)」と言いますが、これは5つの項目のバランスで決まります。まずは、この通知書を経営の「健康診断結果」として読み解くことから、すべての好循環が始まります。

点数向上を目指すプロセスが、会社を強くする

「P点をあと10点上げよう」と決めたとき、会社の中で何が起きるでしょうか。無駄な経費を削って「営業利益(本業で稼いだ利益)」を増やしたり、現場の無駄を省いて「売上総利益(粗利)」を高めたりする努力が始まります。これらは経審の「Y点(経営状況)」を直接押し上げる要因です。
経営改善に取り組むと、数字が良くなるだけでなく、現場の意識も変わります。原価を意識した施工が定着し、会社に現金(キャッシュ)が残るようになります。現金が残れば、新しい機械を買ったり、社員の給料を上げたりする「投資」が可能になります。経審の点数を追うことは、実は「儲かる仕組み」を作ることそのものなのです。

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